2018年08月14日

ジャンニ・ロダーリ 4


前回の続き)

1940年イタリアは第2次世界大戦に突入します。
ロダーリは健康上の理由で従軍しませんが、
1943年にムッソリーニが失脚し、
イタリア社会共和国を建国すると、
ロダーリにも召集令状が届きました。

それでロダーリはミラノの病院で働きはじめますが
師範学校時代の親友が戦死したこと、
弟がドイツの収容所に入れられたことがきっかけで
パルチザン(抵抗運動)に参加します。
1944年に共産党に入党します。

党の機関紙「ロルディネ・ヌオーヴォ」の編集長になり
ジャーナリストとしての才能が開花します。
1947年には「ロルディネ・ヌオーヴォ」から
ミラノの日刊紙「ルニタ」に移ります。

仕事に忙しくて母の元に顔を出さないことに
業を煮やした母親が読者のフリをして
帰ってこない息子を嘆く投書をした
ーーというエピソードがあります。

その後、ロダーリが書くものは
子ども向けにふさわしいと判断され、
「子どもの日曜日」欄を担当することになります。
読者の子どもの要望に応じて
フィラストロッカと呼ばれる詩や童話を発表します。

1950年に党が子ども向けに新聞を発刊することを決め、
ロダーリに白羽の矢が立ち、ロダーリはローマに異動になって、
「ピオニエーレ」の創刊に携わります。
ジャーナリストとして政治にかかわる仕事をしたかったことから、
ロダーリは党の決定に不服だったと言われています。

共産党が子どもの教育に携わることに教会が反発し、
「ピオニエーレ」が町の広場で
焼かれるといった事件もありました。

同1950年、周囲の人たちの勧めで
それまでに新聞に発表したフィラストロッカをまとめて
『フィラストロッカの本』を出版し、
翌1951年には『チポリーノの冒険』を出版します。

児童文学作家ロダーリの誕生です。


参考文献:
Pino Boero, Carmine Di Luca, La letteratura per l'infanzia, Editori Laterza, Bari, 2009
Marcello Argilli, Gianni Rodari. Una biografia, Einaudi, Torino, 1990



2018年08月13日

ジャンニ・ロダーリ 3

前回の続き)

神学校へ進学したロダーリですが、
規律が合わず14歳で退学してしまいます。
その後、師範学校へ入って教員資格を取ります。

この師範学校にいる間に出会った友だちから
ロダーリは文学や音楽の影響を受けます。
バンドを組んで、町に繰り出し、
演奏をしたこともあるそうで、
あまりのハマりっぷりに母親が心配したくらいだったとか。

この時の友だちは残念ながら戦死してしまいます。
以来、ずっとロダーリの心に残り、
大人になってからもロダーリは誰とも
深い友情を結びませんでした。

同僚や友人知人といるとき、ロダーリは
話題豊富でユーモアがあって、一緒にいて楽しい人物でしたが
羽目を外すことは決してなかったそうです。
一人で本を読んだり音楽を聞いたり
考え事をするのが好きな人でした。

師範学校を卒業した後、ミラノのカトリック大学
外国語学部に入りますが、試験をいくつか受けただけで
退学し、小学校の教員になります。

参考文献:
Pino Boero, Carmine Di Luca, La letteratura per l'infanzia, Editori Laterza, Bari, 2009
Marcello Argilli, Gianni Rodari. Una biografia, Einaudi, Torino, 1990







2018年08月09日

ジャンニ・ロダーリ 2

ジャンニ・ロダーリは、1920年に
北イタリアのオメーニャというところで生まれました。
オルタ湖という小さな湖のほとりの町です。

父親はパン職人でした。
父親の前の結婚でできた兄が一人いましたが
歳が離れていたことから、
あまりうちとけた関係ではありませんでした。
ひとつ違いで弟がいます。

母親は敬虔なクリスチャンで、厳しい人でした。
温もりのある、情愛のこもった関係は父親と築いていました。

ところが、9歳のときに父親が亡くなってしまいます。
嵐の中、水たまりに取り残された子猫を助けに
外へ出たことがきっかけで肺炎にかかったためでした。

パン焼きのかまどに体をくっつけて震えている父の姿を
覚えていると、ロダーリ自身が書き残しています。

パン屋を廃業し、ロダーリ一家は
母親の出身地であるガヴィラーテに引っ越します。
ガヴィラーテも湖(ヴァレーゼ湖)のほとりにある町です。
母親が女でひとつでロダーリと弟を育てます。
決して豊かではない生活でした。

成績優秀だったことからロダーリは11歳で
神学校に進学しますが、規律が合わず
14歳で退学します。

Pino Boero, Carmine De Luca, La letteratura per l'infanzia, Editori Laterza, Bari, 2009
Marcello Argilli, Gianni Rodari. Una biografia, Einaudi, Torino, 1990